「海街diary」優しい気持ちにさせてくれる映画
「そして父になる」「誰も知らない」などで国際的にも高い評価を受ける是枝裕和監督が、第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞やマンガ大賞2013を受賞した吉田秋生の人気コミックを実写映画化。
湘南を舞台に、異母妹を迎えて4人となった姉妹の共同生活を通し、家族の絆を描く。
鎌倉に暮らす長女・幸、次女・佳乃、三女・千佳の香田家3姉妹のもとに、15年前に家を出ていった父の訃報が届く。葬儀に出席するため山形へ赴いた3人は、そこで異母妹となる14歳の少女すずと対面。父が亡くなり身寄りのいなくなってしまったすずだが、葬儀の場でも毅然と立ち振る舞い、そんな彼女の姿を見た幸は、すずに鎌倉で一緒に暮らそうと提案する。その申し出を受けたすずは、香田家の四女として、鎌倉で新たな生活を始める。(映画.comより)
監督:是枝裕和
2015年 126分 G
是枝裕和監督は海外では評価がいいらしい…。予告編は確かにいい雰囲気だ。
「そして父になる」はまだ観ていないので、これが自分にとっては初めての是枝作品になる。
喰わず嫌いはよくないな…と思うくらいよかった。
原作はまったく知らないが、四姉妹がそれぞれすごく魅力的だ。映像も素晴らしく、観ていて本当に気持ちよかった。ゆっくり動くカメラワークも完全に俺好み。「あぁ、いいな!」と思う瞬間が何度もあった。
芝居も、四人ともなんて自然なんだ⁈
役柄だけでなく、撮影現場でもそのまんま同じ雰囲気じゃないの?って思ってしまうくらい。
また、この映画には悪い人というのがほとんど出てこない。
亡くなった父にしても、大竹しのぶ演じる母にしても、それぞれ一生懸命生きてきたと思わせるところがある。
誰でも不器用なところがあるはず。それでも必死で生きている。正解なんてわからない。でも、その時の一番いいと思う決断をして生きてきたんだ。そう思うと、人に対して優しい気持ちになれる。
めちゃくちゃ感動するとか、泣けるとか…そんなのではないが、優しい気持ちになれて、暖かい心で人に接することができる…そんな映画だ。
最後に四人が浜辺で海を眺めるシーン…。
主人公たちと同じ様に清々しい気分になれた気がした。
派手なドンパチや、国家がどうの…、パニックやCGだらけのアトラクションムービーは、ハリウッドに任せて、日本には良質で上品なそれでいて世界にも通用する作品を追求して欲しい。
国境を越えて賞賛されるような作品を今後も期待したい。