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「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~」上質な大人のおとぎ話

 

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ラブ・アクチュアリー」のリチャード・カーティス監督が、タイムトラベルを繰り返す青年が本当の愛や幸せとは何かに気づく姿を描いたロマンティックコメディ。

イギリス南西部に住む青年ティムは自分に自信がなく、ずっと恋人ができずにいた。

21歳の誕生日に、一家に生まれた男たちにはタイムトラベル能力があることを父親から知らされたティムは、恋人を得るためタイムトラベルを繰り返すようになり、やがて魅力的な女性メアリーと出会う。

しかし、タイムトラベルが引き起こした不運によって、その出会いがなかったことになってしまい、再び時間をやり直したティムはなんとか彼女の愛を勝ち取るが……。

 (映画.comより)

監督: リチャード・カーティス

キャスト:ドーナル・グリーソン  

                  レイチェル・マクアダムス

     ビル・ナイ  他

       2013年  イギリス  124分   G


映画『アバウト・タイム ~愛おしい時間について~』予告編

 

観終わった後、世界の見え方が変わるかも…

人生についていろいろ考えさせられる作品である。

誰しも人生においてやり直したいと思う瞬間がある。そういう願望を適度に満たしてくれる。

主人公ティムがごく普通なのがいい。男前でもなく少し頼りなげではあるが優しくて誠実で好感が持てる。

タイムトラベルを繰り返しはするが、本当のダメ男ではない。大事なところはしっかり自分で決断し、前向きに生きている。

だから素直に感情移入でき、メアリーとの恋愛にも一緒に幸せな気分になれるんだ。

 

ストーリーでは、主人公がタイムトラベルを繰り返し人生を幸せに導いていくのだが、実際のところ人生自体ははさほど変化していないのかもしれない。

感じ方、味わい方、そしてプロセスが違うだけで最終的に人生は幸せそのものなんだ。

ビル・ナイからの秘訣で人生を二回繰り返すシーンがそれを物語っている。単純だがすばらしい演出だ。

これこそが監督リチャード・カーティスの伝えたかったことだと思う。

タイムトラベルというファンタジーを通して教えてくれたこと。それは…

何気ない日常をていねいに生きる。

ユーモアを忘れず、家族や大事な人たちとの時間をしっかりと味わう。

そうすれば人生はどの瞬間も自分にとって愛おしい時間になるのである。

(邦題うまいな!)

最後にティムが究極の秘訣を明かす。それはもうタイムトラベルなんて関係なくなる。

ほんの少しの想像力で誰もが今すぐ実行できることだ。

実際、世界の見え方が変わった!

これこそ人生の極意だ!

 

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リチャード・カーティスはこれが最後の監督作品だと言っている。その理由は「監督業は時間が長い。これからはもっと家族との時間を大切にしたい。」だそうだ。まさしくこの作品のメッセージそのものだ。
 
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最後に、個人的には父役のビル・ナイが本当にかっこよかった‼
前に観た「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」でファンになったのだが、今回もよかった!(続編あるらしい!)
知的で神経質そうに見えるのに、ユーモアがあって包容力を感じさせる不思議な魅力がある。ああいう年寄りになれるかな…。