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「マイ・インターン」で デ・ニーロを知る!?

 

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プラダを着た悪魔」のアン・ハサウェイと名優ロバート・デ・ニーロが共演したハートフルドラマ。
ファッションサイトのCEOとして活躍する女性が40歳年上の男性アシスタントとの交流を通して成長していく姿を描いた。ニューヨークに拠点を置く人気ファッションサイトのCEOを務めるジュールスは、仕事と家庭を両立させながら誰もが羨むような人生を歩んでいた。ところがある日、彼女に人生最大の試練が訪れる。そんな折、会社の福祉事業で雇われたシニアインターンのベンが、ジュールスのアシスタントに就く。ジュールスは人生の大先輩であるベンから様々な助言をもらい、次第に心を通わせていく。
(映画.comより)
 
                 アン・ハサウェイ
                 レネ・ルッソ         他


映画『マイ・インターン』予告編

 

すべてのキャリアウーマンへ

 

この二人が共演というだけで、安心して観られる。
予想通りうまくまとまったハッピーエンドな作品だ。
主人公のジュールスは、等身大のアン・ハサウェイだと感じた。
仕事と家庭を両立しながら、完璧ではないけれど夢に向かって一生懸命な姿は彼女そのもの。今後の自分のキャリアのために、前作「ブルックリンの恋人」でプロデュースにも踏み出したと聞けばなおさらである。
そういう彼女が主演で、ナンシー・マイヤーズが監督とくれば、女性による女性のための今の時代にぴったりの映画である。
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では男性にとってはどうか?
デ・ニーロ演じるベンは理想の男性像だ。それも年老いてからの。
上品でおしゃれで落ち着いていて、常に的確なアドバイスをしてくれる。ちょっと女性目線の理想像なところはあるが、見習うべきところは多い。
実は往年のデ・ニーロファンからしたら、正直物足りないところがある。あまりにもいい人すぎて…。
しかし、若者には是非観てほしい。余計なこと考えずに、素直に大人の男の作法を学べるはずだ。
 
 
唯一無二!
 
“ 正直物足りない”と書いたが、なぜならあまりにもさらりと演じているからだ。
若い世代には、彼の数々のすさまじい役者魂のことはあまり知られていないかもしれない。
例えば「レイジング・ブル」ではボクサーの鍛えぬかれた肉体を作った後に体重を20Kgも増やし引退後の主人公を演じたり、「アンタッチャブル」では頭髪を抜いてみたり、「タクシードライバー」では実際にNYでタクシードライバーとして働いたり、舞台となる地域に撮影数か月前から住んで役作りをしたり…。
デニーロ・アプローチ”という言葉があるくらいだ。
猟奇的な人間、どうしようもない極悪人など、ダークな部分までも演じ切りそれこそ人間の本質というものを体現してきた彼だからこそできる自然な演技、醸し出す雰囲気というものがあるのだ。
実際の社会でも、修羅場をくぐりり抜けてきて人生を達観した人は限りなく自然体でいるものだ。そういう意味では、このベン役はデ・ニーロしかありえない。
主役から脇役までジャンルを問わず、73歳の今でも常に第一線で活躍している。
唯一無二の存在…。
改めてロバート・デ・ニーロのすごさを思い出させてくれた作品である。 
 
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こんなニコニコしてるが、本当はすごい人なのだ…。