えいが少年

気ままに鑑賞 のんきにレビュー きほんネタバレ

「陽だまりハウスでマラソンを」思ってたよりスケールが大きい!

     2013年  ドイツ  105分   G

主役ディーター・ハラーフォルデンがいい!

邦題の“陽だまりハウス〜”なんて言葉からアットホームなハートフルなぽかぽかした内容をイメージするが、実はもっと深刻である。
ドイツでも日本と同じような高齢化問題を抱えているようだ。
共感できるところは多いが、正直ゾッとして笑えないと感じた。

主人公のパウルは映画を観ているこっちと同じ気持ち。

そして、ベルリンマラソンに挑戦しようと考えるのである。

実は彼は物語の中で、メルボルンオリンピックで金メダルを獲った、伝説のマラソンランナーだっのだ。

70歳を超えた老人の無謀な挑戦、冷ややかな目で見る者、応援してくれる者、施設の職員、家族…、葛藤やぶつかり合いをしながらベルリンマラソンを目指すのだが…。

 

この作品の見所は、78歳の史上最高齢でドイツ映画祭最優秀主演男優賞を受賞したドイツの国民的喜劇俳優ディーター・ハラーフォルデンの演技である。本当にいい味を出している。この映画は彼を堪能するための映画だと言っても過言ではない。

頑固で一途で融通がきかないけれど、妻を愛し一生懸命に生きる姿は、滑稽ではあるが胸を熱くさせてくれる。

 

ある意味、切ない話である。

また現実的にはありえない内容だ。

しかし年齢に関係なく、自分らしく自分にできることを追求することが生きる力なんだと改めて感じた。

いろいろ考えさせられる、思ってたよりスケールの大きい映画だ。