「ハッピーエンドの選び方」はユーモアたっぷり!
2014年 イスラエル・ドイツ合作 93分 G
イスラエルの老人ホームで暮らすヨヘスケルの趣味は、ちょっと変わった発明。
彼が延命治療に苦しむ友人のために作った“最期を自分で選ぶ装置”が評判を呼び、安楽死を求める依頼者が殺到する。
そんな中、一緒にホームで暮らす妻レバーナに認知症の兆候があらわれる。
そして、彼自身が最愛の妻の死、別れにどう向き合うか苦しむことになる。
前回の記事「陽だまりハウスでマラソンを」と同じく、いわゆる“終活”を題材にしたものであるが、こんなにも笑えるなんて…!
監督曰く、シリアスな話であるがコメディ俳優を起用することにより、自然に出てくるコミカルさをうまく生かしているらしい。
日本人には思いつかないようなユーモアのセンスも光っている。
そもそも、発明が趣味というヨヘスケルの設定が面白い。
冒頭の“神様と話せる電話機”で心を鷲づかみにされた感じだ。
切ない話であるのに最後まで楽しめるのは、こんなコミカルな空気感が漂っているからだ。
両監督は日本映画の大ファンで、当然「おくりびと」にも影響を受けているらしい。
日本人として誇らしいことである。
しかし逆に、日本人にはなかなか思いつかないユーモアや生き方をこの映画から学ばせてもらった気がする。
歳を重ねても、もっと自由に、もっと情熱的に生きてもいいんだ!